SYNCROOM の使い心地

SYNCROOM でオンラインセッション
強力な助っ人、メトロノームさんは、空間を隔てた私達に目印を示してくれます

新アプリ、SYNCROOM 。さらに有線LAN!

待ちに待った、YAMAHAのSYNCROOM、ついに出ました!メトロノーム機能と録音機能が追加されたという新アプリ、使い心地はどうなのでしょうか?以前、旧アプリNETDUETTO について書きました。(遠隔セッション、Netduetto をやってみた参照)。今回はそれを踏まえた上での比較など書いてみたいと思います。前回と同じく、ベース、ボーカル、ギター(私)の3人で利用しました。

NETDUETTO がSYNCROOMとしてリニューアルされ、比較するとはいうものの、同じ条件で比べるわけではありません。というのは今回は全員が有線接続だったからです(そもそも有線が推奨されています)。前回は、環境を整えるのが間に合わず、無線LANの環境の演奏者もいました。でも今回は全員が有線、それにオーディオインターフェイスも使用。もう環境的にはバッチリです!さて、音はどうなのか?

SYNCROOM、音は感動するぐらい良かった

音はというと、「むっちゃ聞こえるでー!」と叫んでしまうくらい良かったです。無線LANの時は、時折音が途切れたりして、「音を想像で補う」ような状況。音自体も輪郭がハッキリしませんでした。しかし今回は音がクリアで、特にベースの音が格段によく聞こえました。イヤホン越しですが、まるでそばで演奏してるみたいです。

(ちなみにLINE電話を併用。SYNCROOM はNETDUETTO同様、楽器の音とマイクの音しか聞こえないので、「ちょっとテンポ遅かった?」とか「次この曲しよう」とかいう会話はLINE電話でします。)

一目で接続状況が解るように、「遅延」「通信状況」が顔のアイコンが出てきます。以前は「困った顔」の時もありましたが、今回は概ね「普通の顔」。「普通の顔」で十分ありがたい!「ニコニコ」なんて最高!

設定画面では「高」「普通圧縮」を選択しました。前にNETDUETTO で使った時は、全員が有線というわけでなかったので、「低」「高圧縮」(なるべく容量を小さくするイメージ)から始めて調節しました。

SYNCROOMの強力な新機能、メトロノーム、そして録音

先ほど書いたように、音はきれい。遅延も少ない方だったのですが、メトロノーム機能は常に使用しました。カチカチ鳴るのが気になる方は音量を調節すればよいでしょう。メトロノームの存在は大きいです。この「オンラインセッション」を「マラソンでの併走」に例えると、メトロノームは等間隔で立っているポールみたいなもの。ただ、楽器の人がメトロノームに合わせるは難しくありませんが、ボーカルの人はどうしても楽器の音を聴きながら歌います。なのでほんの少し遅れますが、それは許容範囲です。

ベーシストがメトロノームを操作、という状況で、試しに録音。同じ演奏を、それぞれの立場で録音したものを聴き比べてみました。

すると、ボーカリストのパソコンで録音したものは時折メトロノームのテンポが狂っていました。接続状況は安定しているものの、やはり常に一定でないので多少の狂いはあります。一方、ベーシストの所で録ったものはメトロノームが一定(ベーシストのところでメトロノームを操作しているので当然と言えば当然)。なので、メトロノームを操作するのは、ドラムやベースなどリズム隊がよいかもしれません。

SYNCROOMは、一緒に演奏したい、という思いをかなえてくれる

さて、録音された自分達の演奏を客観的に聴いてみての感想。…これは感激でした…。それぞれ遠く離れた場所で演奏しているのに、まるでスタジオ練習を録音したみたいだったからです。メトロノームはカチカチいってるし、もちろん多少のズレはあります。でも、オンラインで、一緒に演奏して(別々に録音したものを合わせたのではなく)、「この音」は嬉しい。そうか、これだったのか!YAMAHAさんが目指していたものは、このクオリティだったのか!

新型コロナが無かったら、オンラインセッションの存在も知らなかったでしょう。wifi が使えるのに、わざわざパソコンにLANケーブルをつなげようなんて思いもしなかったでしょう。このような厳しい状況の中でも、「共に演奏したい」という(多分太古の昔からある)人間の思いを叶えてくれた技術。感動します。