カイロのバラ

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レジでイレギュラー発生

商品のバーコードがなかなか通らず、店員さんが走って値段を確認しに行く場面。スーパーでは時々あります。果物についているシールがはがれていたりすると値段がわからないですから。先日、前のおばあさんが会計している時に、最近入った感じの店員さんが、慌てふためいて売り場に走っていきました。

それでもどうしても解決しなかったようで、他の店員さんもが何やら声をかけあっています。するとまた別の店員さんが、「カイロのバラや。」と言いました。

カイロの薔薇?

私が行く小さなスーパーには、お彼岸の頃、お花が売っています。お供え用の菊などです。でも、カイロの薔薇なんてあったんや、いま流行ってるんかな、と一瞬考えていると、戻ってきた店員さんの手にはカイロが握られていました。どうも、売り物のカイロ(何個かセットで売っています)の袋をおばあさんが破って、単品でカイロを買おうとしたようなのです。

単品では売っていません、という言葉に納得したようで、おばあさんはお金を払って帰っていきました。駄菓子を買う時、奥の方にある新しい商品は袋に入ったままの状態なのを見たことがあります。おばあさんも、そのパターンだと思ったのでしょう。それにしても、6月でもカイロって売れるんですね。

カイロのバラ

「カイロのバラ売り」と言えば何も思わなかったかもしれませんが、「カイロのバラ」と言うと素晴らしい薔薇を想像してしまいました。クレオパトラが寵愛した希少価値の薔薇。色は紫がかった黒。抽出した薔薇オイルは高価で、たちまちその香りの虜になる…。

今頃、カイロのバラは、おばあさんの背中に貼られているかもしれません。

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